- 定員
- 20名
- 参加条件
- 小学生以上
- 所要時間
- 3時間
- 体験参加費
- モニター価格 3,000円(税込)
- 最少催行人数
- 10名
泥に、足をとられた。
それでも手を止めなかったのは、稲が、待っていたから。
佐渡島・新穂の山奥に、農薬を使わずに米を育て続ける棚田がある。
機械は入らない。コンバインも来ない。
収穫の日、鎌を手にするのは、都会からやってきた旅人たちだ。
泥の重さ、稲の香り、一緒に汗をかく見知らぬ誰かの背中。
手を動かしながら、不思議と言葉が減っていく。
ここで過ごす3時間は、長い時間をかけて忘れていた何かを、静かに取り戻してくれる。
鎌を持つ、ということ
鎌は思っていたより重く、稲は思っていたよりしなやかだった。
一株ずつ、根元を握り、刃を当てる。引く。束になった稲が、ぐっと手のひらに残る。
その重さの中に、春から積み上げてきた水と光と土の時間が、ぎゅっと詰まっている。
伊藤さんは「うまいですよ」とだけ言って、隣で黙々と刈り続けた。
教えるのではなく、一緒にやる。それがこの場所のやり方だった。
「農薬を使わないということは、自然の循環の一部でいるということ。田んぼが教えてくれることを、ただ聞いているだけです」 ―― ミライサト 伊藤さん
ハザがけ、という祈り
刈り取った稲を、昔ながらの方法で天日に干す。
鉄の三脚に、束をひとつひとつ掛けていく。
機械で乾燥させれば数時間で終わる工程を、太陽と風に数週間かけて委ねる。
それが、ハザがけだ。
急がない。管理しない。ただ、待つ。
そうすることで、米は甘みを増し、香りを蓄え、食卓に届く。
効率より安心を選ぶ、佐渡の農業の哲学が、この一連の動作の中に宿っている。
棚田の畔で、ひと息つく
農作業が一段落したころ、伊藤さんが「ちょっと休みましょう」と声をかけた。
棚田の畔に腰を下ろすと、体中の力がすとんと抜けた。
差し出されたのは、伊藤さんが減農薬で育てたりんごで作ったアップルティー。
淡いオレンジ色の液体が、使い込んだプラスチックのカップに注がれた。
甘くて、少し酸っぱくて、体の芯まで温かくなった。
隣に座った見知らぬ人と、気づいたら笑い合っていた。
泥だらけで、汗だらけで、それでも笑えた。
こんな休憩を、最後にとったのはいつだっただろう。
農家紹介
ミライサト 伊藤さんの想い
1984年千葉県松戸市生まれの、ミライサト 伊藤さん。
東京勤めの後、香港の現地企業に就職し、メディア、PRの仕事を通して日本の観光・物産の情報発信を行ってきた。
その中で、地方と一次産業の重要性を感じ、「日本が元気であるには地方が元気でなければならない」との思い至り、
2020年、帰国とともに佐渡へ移住しました。
農家民宿を営みながら、地域の田んぼやりんご園、畑を継承し、田舎暮らしや農業に興味を持った人が関われる場を作れるよう農業体験を積極的におこなっています。
都心部とは全く違う地域のコミュニティや伝統文化との関わり、暮らしの豊かさや新規就農の難しさを全身で浴びながら日々を生き、農業においては、なるべく自然の循環の一部であれるように田んぼ、畑は無農薬で、りんごは減農薬で栽培しています。
こうした日々を過ごす中で、「人は生きる場所を借りている」と思うようになったという伊藤さん。
今回のモニターツアーを通じて、ぜひ伊藤さんのライフスタイルや想いを肌身で感じてみませんか。
この体験は、観光ではない。
泥をかぶって、稲の重さを知って、誰かと一緒に疲れて、笑う。
そのすべてが、佐渡島でしか起きない、本物の時間。
あなたの「ここだけの記憶」を、ミライサトで。
ツアーのご予約・お問い合わせ
お電話でのお問い合わせはこちら
